本の紹介  2018年2月17日|土曜日

『声に出して読みたい日本語』

教養堂の棚からひとつかみ、今回はこちら。

 

「声に出して読みたい日本語」シリーズ 齋藤孝 編著

 

 

 

Ⅰ 暗唱の21世紀のスタンダード本

 

教養堂の小学生の国語授業では外せない教材です。

2001年に大ベストセラーになったシリーズです。

私の持っている初版本はとうに使い込んでしまいました。

そこで新たに教養堂用に購入をしました。

 

今、文庫本で流通しています。

この文庫本は非常に使いやすいです。

持ち運べますし、小学生の子でも使い勝手がいいです。

そして、字の大きさはあえてソフトカバー版と変わらない大きさにしてあるのです。

この心遣いが嬉しいですね。

 

とにかく言葉は音から。

古代の人の息遣いがダイレクトに伝わります。

そして、言葉はしなやかで骨太で強靭であり、繊細です。

 

暗唱はいつでもどこでもはじめられ、記憶力向上に役立ちます。

教材としては完璧です。

あまたあふれる教材のなかでも屈指の不朽の教材だと言えるでしょう。

 

特に小学生の子たちには楽しみながら取り組ませます。

気軽な感じで遊び感覚で行います。

授業のワンポイントとなるようなカリキュラムを組んでいくつもりです。

 

 

Ⅱ 原作者とプロデューサー

 

この本が出版された2001年は日本語ブームということで、かなり古典が見直された時期でもありました。

「ゆとり教育」の波がある時期で、それとは違う側面からの教育のアプローチでした。

 

暗唱本というものは実はすごいアイデアなのです。

古今東西の古典を選りすぐって編集されるわけですが、何と「著作権フリー」なのです。

 

当然ですね。小野小町に印税が行くわけではありませんので。

ですから、このような本は編集のアイデアに対して対価が支払われるわけです。

 

 

世の中に、原作者とプロデューサーという2種類の人たちがいます。

もちろん原作者はすべてのあらゆる権利を保有します。

しかし、それだけでは世に広まることはありません。

 

ここでプロデューサーの登場です。

この人たちは、原作を発掘、意味づけをし、アレンジ、翻訳、マネージメント、価値を決めます。

この作業がないと流通しませんし、時代を越えることもありません。

 

世に行きわたらなかったら、後世の人から見れば「ない」と同じなのです。

百人一首は、藤原定家というすぐれたプロデューサーがいなければ成立しませんでした。

 

論語に例えると、孔子が原作者で、弟子たちがプロデューサーです。孔子の語録はもちろん素晴らしいが、それを取捨選択し分かりやすく編集した孔子の高弟達は、孔子同等に偉いのです。

「語録」というものは、発した人と同じくらい編集して世に出した人が偉いのです。

 

このような役回りはいつの時代もあります。

私は原作者もプロデューサーも同等に大切な存在だと思っています。

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