本の紹介  2019年10月14日|月曜日

『AIに負けない子どもを育てる』

教養堂のほんの紹介、今回はこちら。

 

『AIに負けない子どもを育てる』   新井紀子 著  東洋経済新報社 刊 

 

以前もブログで紹介しました、

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

の続編で、2019年9月の新刊本です。

 

AIの研究を進めていく中で、AIの限界を知った研究者が、翻って子どもたちの中にも「ロボットのような読み方」をしているのではないか、という疑問から作り上げたのが、リーディング・スキル・テスト(RST)でした。

RSTは「読める」とは何かということから試行錯誤して作問された、「読解力」を判断するテストです。

 

RSTが判定する7つの読解力

〈係り受け解析〉

〈照応解決〉

〈同義文判定〉

〈推論〉

〈イメージ同定〉

〈具体例同定〉(辞書)

〈具体例同定〉(理数)

 

これらを分析することで、読解力のタイプ別分析も可能となります。

 

このテストのサンプルが本書にも付いており、試すことができます。

簡単な設問もあれば、難しく感じるものあります。

全28問で選択式(ただし択一式ではない)、40分~60分ほどで解けるものですが、なかなかよくできた問題でした。

難易度別に得点が割り振られており70点満点で点数化でき、得意不得意がはっきり分かるようになっています。

そして、学年を問わず、知識がなくても解けるような工夫がされています。

ちなみにすべて満点だと、上位1%未満の基礎的・汎用的読解力を有する人だそうです。

 

 

〈イメージ同定〉

〈具体例同定〉

という2つの力は、特に現在の国語教科の中では、はっきり習う機会がなく、経験で学んでいくしかないと私は思います。

よく言われる「地頭」が良い、というものの一つにはこういう力を習得していることだと思います。

これも訓練すれば、しっかり身につけられるものです。

「地頭」というものは生まれつきの能力を指すように言われますが、私は問題意識と方法論の問題であると認識しており、学力をつけることと何ら変わらないと考えています。

 

 

愛知県の高校入試に当てはめてみると

愛知県の公立高校入試の過去問題で、特に「社会」と「理科」の表・グラフ問題の読み取りで、〈イメージ同定〉の読み方が試されます。

逆を言えば、受験勉強での問題演習をしないと、これらの力をつけるのは普通では難しいのです。

 

〈具体例同定〉についても、数学の「定義」や「定理」を学ぶ上で一応習得はできますが、意識的に学ぼうとするには現在の教科学習では物足りないです。

そういう意味では、小学生の高学年くらいから、「論理学」の基本は習得しておくべきだと感じました。

 

 

その他、本書から気づきを得たもの

以下の4つは、非常に印象に残りました。

 

①2Bの鉛筆の功罪

②穴埋めプリントの功罪

③板書を書き切る力

④アナログで行うプログラミング教育

 

それに対する一口メモ

①小学生は特に留意しておくべき点。HBなどの硬い鉛筆の復権の時代が来たかな。そして、鉛筆と消しゴムの使い方。つまり勉強の型として、硬い鉛筆で書く握力も必要。

②便利なものには、必ず落とし穴がある。単語だけを当てはめるて良しとする安直な学習は、ロボット読みの原因の一つかも。

③上記①と同じく、「書く力」という基礎学力。

④プログラミング教育の一つの在り方。論理思考の型を習得する本来の目的。

 

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