こんな話  2020年1月20日|月曜日

「ミュシャ展」 浮世絵からアールヌーボー、ポップアート、少女漫画、そして与謝野晶子。

2か月に1度くらいの割合で京都を訪れております。

算数の図形学習指導勉強会に参加するためです。

 

今回は早目に京都に着いたので、ちょうど京都文化博物館で開かれている「ミュシャ展」に行きました。

実は、2020年4月から名古屋市美術館でも同じ展覧会が開かれます。

ですが京都に着いて時間があることを確認したら、足が勝手にミュシャ展に向かいました。

 

 

 

 

アルフォンス・ミュシャ 1860-1939

チェコ出身で、19世紀末からのパリのアールヌーボーを代表する画家。後にチェコの国民的画家となった人です。

 

 

実は私、好きな歴史人物にチェコ出身の文化人が多かったということに最近気づきました。

 

古くは、宗教改革のヤン・フス 1369-1415

プロテスタント運動の最初期の人で、ルター・カルバンよりも早く行動を起こした宗教改革の先駆者です。

カトリックから異端とされ、火あぶりの刑にされました。

おどろおどろしい絵が、世界史の教科書に載っていました。

 

そしてフス派の将軍として、カトリックとの宗教戦争を戦った英雄ヤン・ジシュカ 1374-1424。

片目で黒い眼帯をしています。チェコの独眼竜です。

ゲド戦記に出てくるような豪傑です。

民衆から慕われ、新しい戦法を駆使して戦いました。

 

スメタナ 1824-1884 作曲家 「わが祖国・モルダウ」

トマーシュ・マサリク 1841-1937 哲学者・チェコ初代大統領

ドボルザーク 1841-1904 作曲家 「交響曲第9番 新世界より」

フランツ・カフカ 1883-1924 作家 「変身」「城」「審判」

エゴン・シーレ 1890-1918 画家 ウィーン分離派・表現主義絵画

カレル・チャペック 1890-1939 作家 「山椒尾戦争」 「ロボット」

ヤン・パラフ 1948-1969 プラハの春 学生運動リーダー

 

みんな自分の確固とした価値観を持って大勢に流されず、一筋縄ではいかない人たちです。

 

 

ミュシャ展ですが、今回つくづく勉強になりました。

 

日本の浮世絵・七宝焼きの絵柄

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パリのジャポニスム

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アールヌーボー

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ミュシャ → パリ留学の同時代の日本人画家に影響を与える。藤島武二など。

 ↓

・1960年代のカウンターカルチャー・ポップアート・サイケデリックに影響を与える。

・日本の少女漫画に影響を与える。

 

文化が東洋と西洋を往復しており、それは現在進行形なんですね。

 

日本の七宝焼きの柄がミュシャに影響を与えました。

 

 

こちらの挿絵が、画家 藤島武二 1867-1943 がパリ滞在で学んだアールヌーボーの画風で、ミュシャに通じるものがあります。

 

明治の歌人、与謝野晶子 1878-1942 の初めての歌集「みだれ髪」の装丁に使われていたのです。

今でも新潮文庫の「みだれ髪」は、特別装丁になっていて、他の新潮文庫とは一線を画した仕上がりになっています。

 

 

与謝野晶子の繊細な淡い心が素直に歌われていて、読みごたえがあります。

しかも、新潮文庫の憎いのは、活字も当時のままの活版印刷風の明朝体を使っている点です。

 

明治の頃の初版本そのままに、当時の書体や挿絵を文庫版といえども残しておこうという、心意気が感じられます。

 

 

そして時代は変わって戦後、1960年代にミュシャは再評価されます。

ポップアート、カウンターカルチャー、サイケデリックの礎になりました。

 

ローリング・ストーンズ、グレイトフル・デッドなどのロックバンドのレコードジャケットや、野外コンサートのポスターにミュシャの影響があります。

 

 

さらに、日本の少女漫画に影響を与え、ロールプレイングゲームの表紙絵にもなりました。

それがさらに世界中に影響を与え……文化は国境を越えていきます。

 

 

 

 

教養堂の本棚に置こうと思い、いつものように展覧会のカタログ画集を買って来ました。

 

開塾してから、ずいぶんいろんな画集を集めて、増えてきました。

また、複製画ではありますが、最近は教養堂の壁一面に、絵画や浮世絵、ポップアートなどを飾るようになりました。

 

可能な限り、このような資料や絵を集めて、子どもたちに自由に見てもらいたいと思っております。

10代の多感な子たちに、どんどん触れてもらいたいです。

 

 

「それが受験やテストの役に立つんですか?」

 

と、人からも言われることがあるのですが……。

 

それが大いに役に立つんですよね。

もちろん受験やテストだけではないんですけれど。

 

特にミュシャの絵を見ると、複雑系認知能力の向上に役に立つと私は思います。

 

日本の未来を生きる今の子どもたちには、もう最大限センスを磨いた方が良いですね。

ここでは詳しく述べませんが、インプットの感度の高さとアウトプットのトータルなセンスを磨かないと、埋もれて行ってしまうのではないかと危惧しております。

 

 

こういう取り組みをしていて、すごく勇気づけられるのが教養堂の保護者様からです。

 

「うちの子には、先生からどんどん色んなことを吸収してほしいです。」

 

私が教養堂でやりたいことを、後押ししてくださいます。

ですから、自ら感性を高め、学び、感動したことを教養堂の塾生に共有していこうと思います。

 

 

名古屋市美術館で開かれる「ミュシャ展」は、2020年4月25日から。

 

今度は教養堂のロゴをデザインしていただいた旧知のデザイナーと一緒に行くつもりです。

感動を共有して、あらたな見方を探りたいと思います。

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