本の紹介  2020年4月4日|土曜日

『宮沢賢治』 こころの原点

もうお亡くなりになりましたが、評論家の西部邁が、学生運動から離れて不安だった頃に、心の安定をもとめて「夏目漱石」の本をむさぼるように読んだことがある、と書いていました。

 

なるほど、と思いました。

 

明治の文豪でとりわけ、夏目漱石や森鷗外などのたくさんの書物には、日本人が直面した時に必ず何かのヒントがあると思います。

国民作家というものはそうした懐の深さがきっとあるのでしょう。

 

そして、「宮沢賢治」もまた、そうした国民作家の一人であり、とりわけ児童文学において燦然とかがやく金字塔のようなものです。

影響下にない作家や芸術家、アーティストを探すほうが難しいです。

 

そしてこの私もまた、年を経るごとに、宮沢賢治の偉大さがますます大きく感じるようになりました。

ちなみに私が大好きな作品は、「どんぐりと山猫」です。

この作品は、人を尊重することの大切さを教えてくれます。

 

教養堂の棚からひとつかみ、今回はこちら。

 

『注文の多い料理店』

『風の又三郎』

『銀河鉄道の夜』

 

宮沢賢治 著  岩波少年文庫シリーズ

 

新型ウイルスが世界中に蔓延してしまいました。

不測の事態です。

これまでの常識が覆されます。

 

人々は不安になります。

よからぬデマもありました。

SNSが発達したので、デマの拡散もウィルスと同じく爆発的です。

 

不安定な非日常は人々の心に暗い影を落とします。

こういう時に、心の安定をはかるには読書が一番です。

 

口語敬体文の最高峰 宮沢賢治

宮沢賢治の作品は、心に直接問いかける、「何か」があります。

それは心の原風景のような文章の描写であり、結晶体のような文章のかたまりと世界観なのです。

 

日本が開国して早々、明治・大正・昭和の初めの半世紀あまりで、日本語のですます調の口語敬体文の表現がここまでできるとは。

当の日本語が驚いていることでしょう。

 

宮沢賢治を読むことで、つい忘れそうになってしまう、「良心」を確かめることができます。

 

 

良い物としか読ませたくない、と決めました。

私は教養堂という塾を主宰していて、時々、いろいろな問題集や教材を見て、「うーん、この文章、どうなの?」というものがあります。

 

特に小学生の子たちに読ませる文章は、私が心から良いものと思ったものしか、もう読ませたくないと思うようになりました。

その最高峰に、宮沢賢治がいます。

 

 

特にこの「岩波少年文庫」シリーズは、おすすめです。

珠玉の作品がそろっています。

できることなら、教養堂の棚に全部揃えたいところですね。

「少年文庫」とあり、対象学年なども表記されてありますが、大人が読んでも十分読み応えがあります。

 

 

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