勉強の話  2017年11月27日|月曜日

国語 世界を広げろ、それには言葉を深く知れ。

阿川佐和子さんのトーク番組に、あの「松本隆」が出演していました。
松本隆…。

ロックバンド「はっぴいえんど」のドラマーにして後に作詞家に転身した人なのです。
と、言うよりもそもそも「日本語のロック」を確立した人です。

もっというと、ロックは英語しか乗らないと思われていた時代に、16ビートのロックに日本語を乗せることを実証した人です。これは国語の歴史に置いても画期的なことでした。

世間では、歌謡曲で最も売れた作詞家の一人として有名です。
もう数えきれないくらいの曲を書いている人です。私も影響を受けています。

「これから作詞家を目指す人にアドバイスするとしたら、何と言いますか?」という阿川氏の絶妙な問いかけに対しての答え。

「語彙を増やすこと。あるだけの言葉だと世界が広がらないよね。夢とか希望とかそれだけの言葉だと、夢も希望もないよね。それには本を読んで広げないと。」

日本のポップスの中で一番言葉にこだわってきた人の答え。
すごく共感できました。

 

教授時代の夏目漱石が、以下の話を学生に紹介しました。
フィンガーボウルの水を間違って飲んでしまった招待客に、恥をかかせまいとした主催者が、それとなく一緒に自らも飲んだという話。

漱石はその後で、こう説明しました。
「諸君、この事を英語ではデリカシーがある、というのです。」

 

夏目漱石全集の別冊付録「漱石先生の思ひ出」に載っていたのを目にしました。
日本語にしろ、英語にしろ、ひとつの言葉を深く知ると世界もまた深く広がる、そんな一つの言葉との出会いを大事にしたいです。

 

 

私の言語の限界が
私の世界の限界を、意味する。
–ヴィトゲンシュタイン

 

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