こんな話 2026年7月19日|日曜日
富士山に登って Vol.1 富士宮-お鉢巡り-宝永山-プリンスルート

12月に箱根から眺めた富士山。
六合目あたりの左側にえぐられたような凹みが、1707年の宝永大噴火の火口付近。
2026年7月中旬に富士山に登りました。
またひとつ念願成就。
4年前に、
「人生でやりたいことリスト100」というのを作ったことがありました。
その中の一つに富士登山を入れておりました。
登山は約30年ぶり。
最後の本格的な登山が学生時代の
「立山連峰~劒岳縦走」。

ことの発端は1年前にスコットランドのハイランド地方を訪れた時のトレッキングでした。
ハイランド特有の氷河時代のカールを眺めながら歩いた時、
「あ、この感覚どこかに似ているな。」
と思いました。

スコットランド ハイランド地方のグレンコー付近。
それが、若い頃に登った北アルプスの上高地の涸沢カールや立山連峰の地形にどことなく似ていて、そこから沸々と登山欲が湧いてきたのでした。
ちょうど『おくたび』として日本をだいたい巡ったので、自分の新たなテーマを模索していた頃でもありました。
そこで体力トレーニングも兼ねて山登りを再開しました。
目標は漠然と日本一の富士山に。
今まで登ったことがなかった名峰で、意外にも富士山には登っていませんでした。
富士山は火山としても唯一無比の地形です。
理科の授業で取り扱う成層火山としての富士山も見ておきたいと思いました。
富士登山3か月前から基礎トレ含め準備しました。
いくつかの近隣の山(八曽山→能古山→養老山→乗鞍岳)などを段階を踏んで登り、自分の感覚を取り戻していきました。

飛行機から眺めた5月の富士山。
富士登山には主に4つのルートがあります。
①山梨県側 吉田ルート:最も登山客が多く、山小屋も多い初心者向け。
②静岡県側 須走ルート:東側に位置し、樹林帯から高山帯への景色が楽しめる。
③静岡県側 御殿場ルート:最も距離が長く体力が必要とされるが、雄大な景色が楽しめる。
④静岡県側 富士宮ルート:距離が短く短時間で登れる分、急登が続く。高山病に注意。
実はこれに⑤プリンスルートというのがあり、富士宮ルートと御殿場ルートを結び、途中に江戸時代宝永年間に大噴火があった火口とその時にできた宝永山を通るルートがあります。

私が今回採用したルートは、
上りが富士宮ルート。
下りが御殿場ルート、宝永山を通ってプリンスルートで富士宮に帰るルート。

今回、富士登頂もさることながら、火山としての富士山をこの目で見たいということも目的でしたので、宝永山を通るプリンスルートは欠かせません。
また、富士山頂の火口をぐるっと一周する「お鉢巡り」というのもあります。
もちろんこれも込みの計画です。
なお、2026年現在、富士登山には入山料4,000円がかかり、事前登録も必要です。
事前登録では富士登山に関する基礎知識のテストもあり、それをパスすると入山許可のQRコードが発行されます。
簡単な選択テストで10分ほどで取得できました。
それでは出発!

初日は富士宮登山口五合目から正午に登山開始。
この時点で天気は曇りですが、夕方から晴れの予報。
登るのに涼しくてちょうど良いです。
すぐ六合目に到着。
この時は、まだ余裕でした。

後を振り返ると雲海が広がり、太平洋が間近に迫ります。
富士山に登っている実感が湧きます。

やっとのことで七合目。
この七合目が曲者で、新七合目と元祖七合目があるのです。
この間が意外と長いのです。
「元祖」と「新」って、何。
「天才バカボン」も元祖と新がありましたね。
ここから疲労が蓄積しだします。
八合目付近からいよいよ3,000m以上になります。
この頃には息が荒くなりました。
あとで振り返るとこの時点で、軽い高山病に罹っておりました。
持参した頭痛薬とアミノ酸サプリで、体調を整えました。
実際、富士山でも毎年遭難者や死者がでますが、この七合目~九合目あたりが多いように思います。
本当は八合目あたりの山小屋で一泊するのが高山病対策としても良いのかもしれません。
今回、私は九合五勺という9.5合目の山小屋に泊まることにしていました。
高度順応からするとこれが結構つらかったです。
富士宮ルートはもともと登山口が高度にあるので、高山病対策を入念にする必要がありました。

ゆっくり登ったので、山小屋に着いたときは18:00を回ってしまいました。
これも良くありませんでした。
登山は早い時間帯に動かないと。
それでも日の入りには間に合いました。
夕焼けが作る富士山の影、通称『影富士』が素晴らしかったです。



富士山に登っている人は、さすが日本一だけあって、老若男女、海外の人もアジア系、欧米系、ラテン系など多岐に渡っていました。
登山者の半分以上は外国人なのではと思うほどでした。
活火山なので植物は一切なく、火山礫、溶岩、火成岩ばかりです。
水気がないのでものすごく乾燥しました。

山小屋では消灯20時。
朝は3時起き。
60人以上が一部屋で雑魚寝。
熟睡できるわけもなく、睡眠不足のまま夜明け前に起き出します。
耳栓とアイマスクを持って行って正解でした。
朝は気温6℃。
真冬並みですが、今日は風がないのがありがたいです。
九合五勺から40分で、ついに山頂に到着。



雲海も眼下に。
4:30頃、ご来光を拝みました。

頂上の神社では、登山で使った金剛杖に刻印を打ってもらいました。
金剛杖は登山開始から使って、各合目の山荘で記念に焼き印を押してもらうものです。
信仰の山としての富士山の伝統が息づいています。

良い記念になりました。
この杖のおかげで、下山時の膝痛も守ることができました。
ご利益ありそうです。

もうひと踏ん張りで、本当の最高峰「剣が峰」3,776mを目指します。
ここが日本で一番高い場所。
剣が峰から、南アルプスや遠く八ヶ岳が雲海上に見えます。




しばし風景を楽しんだあとは、富士山火口を一周する、『お鉢巡り」へ。
一周約90分かかります。


迫力満点。
荒々しさがむき出しのまま。

富士山頂郵便局というのがあり、ここから記念に葉書が出せます。
富士山の記念の消印が押されるます。
教養堂にも記念葉書を出してみました。
さて、下山します。

御殿場ルートは火山としての富士山を100%満喫できます。

こちらの八合目山小屋で食べた、豚汁が本当においしく、生き返る思いをしました。

通称『砂走り』という下山道で、文字通り、砂埃を立てながら駆け下りていきます。
火山礫や火山砂が足にめり込みます。

ここから、300年前の1707年の宝永大噴火の跡が眼前に広がります。
これ以降、富士山の噴火活動はみられません。

時おり、ボーンということがします。
雷かなと思ったのですが、これはどうやら、富士の裾野で自衛隊が演習している音のようです。



宝永大噴火の時に2日でできたという宝永山の突端に来ました。
雄大過ぎて、ここが日本ということも忘れるくらいの景色です。
火星の大地と言っても信じてしまいます。
宝永火口のど真ん中を突っ切り、無事、富士宮登山口五合目に到着しました。
登っている最中は、富士登山は1度切りでいいかなと思いながら必死に登っていましたが、こうして振り返ると、やはりまた登ってみたいという気持ちになりました。
ですから、Vol.1ということで、また機会があればVol.2をやりたいですね。
今度は、吉田ルートや須走ルートを取りたいと思います。

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