中2国語 徒然草より 実証「仁和寺の法師をキミは笑えるか?」
「徒然草」 (兼好法師)より
第五十二段の「仁和寺にある法師」
仁和寺にある法師、
年寄るまで、石清水を拝まざりければ、
心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、
たゞひとり、徒歩よりまうでけり。
極樂寺・高良などを拝みて、
かばかりと心得て帰りにけり。
さて、かたへの人にあひて、
年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。
聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。
そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、
ゆかしかりしかど、
神へ参るこそ本意なれと思ひて、
山までは見ずと言ひける。
すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり。
<要約>
ずっと石清水八幡宮を拝みたいと思っていた仁和寺の法師はある時、ただ一人で徒歩で参詣します。
しかし石清水八幡宮の山のふもとにある、極楽寺・高良を拝んだだけで満足して、これだけと思って帰って来てしまいました。
それを聞いた兼好法師(吉田兼好)は、思います。
「ちょっとしたことにも、その道の先導者はあってほしいものである。」
授業の下調べで
中2国語の教科書定番の古典です。
ずっと私も、仁和寺の法師はなぜ山のふもとで満足してしまったのか気になっていました。
そこで今年の1月に実際に行くことができました。
やはり授業で取り上げる以上は、実際に見て来たことを話したいのです。
地図によると、仁和寺から石清水八幡宮まで徒歩4時間2分、19.2㎞。
朝早く出ても、昼に着けるかどうか、往復で一日がかりですね。
私は当然、電車を利用します。
実証と言いながらも、文明の利器を利用します。
宇治平等院鳳凰堂も訪れます
途中、平等院鳳凰堂も訪れました。
十円玉とかぶせてハイチーズ。
宇治から京阪電車で折り返し、石清水八幡宮に到着。
すると、このような看板が。
コレコレ!!
「国宝 石清水八幡宮へは 男山ケーブルへ」
「改札を出て右へ」
この看板を見逃さないことです!
仁和寺の法師、これを見てたら行けましたよ。
その前に、法師が石清水八幡宮と間違えた、高良神社と極楽寺を見てからにしようと思います。
高良神社
極楽寺があった場所
当時とはだいぶ様子も違うようです。
しかしながら、仁和寺から徒歩で4時間以上かけて来たとなると、ここで満足してしまう気持ちはとても分かります。
さて、石清水八幡宮は男山の山頂にあります。
迷わずケーブルカーでGO!
ケーブルカーから遠く、北の京都方面を見ます。
やはり遠いです。
着きました。
山頂のケーブルカー駅から、さらに歩いて10分ほど。
ようやく見えた、石清水八幡宮。
ここは、パワースポットと呼ばれるくらいの場所ですが、私でも澄んだ空気感が分かります。
平安時代には、かつて源氏の棟梁、源義家が元服したところです。ここから八幡太郎義家と名乗っています。
室町時代には、第6代足利将軍を誰にするか、ここでくじ引きが行われています。
その間の鎌倉時代に、仁和寺の法師が見ずに帰りました。
でもやはり法師のことを笑えませんね。
誰でも徒歩で来たら、ふもとでお腹いっぱいでしょうね。
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