『ワンチュク国王から教わったこと』ブータン国王のスピーチから ~心の龍を大切に養いなさい~
ブータン王国
(日本国際協力システムJICSより)
ブータン国旗
(wikipediaより)
龍を国旗にしている国、ブータン王国のワンチュク国王来日時の「龍のスピーチ」についてご紹介します。
教養堂の「ほんの紹介」今回はこちら。
『ワンチュク国王から教わったこと』
著者 ぺマ・ギャルポ
初版 2012年5月
発行 PHP研究所
ブータンはネパールの横に位置し、中国とインドにはさまれた人口80万人、九州ほどの面積の内陸国です。
経済規模は小さいのですが、「国民総幸福量」という独自の尺度で、精神的な豊かさを政策に掲げることでも知られています。
現在、個人の観光は制限されており、アジアの中でも屈指の秘境国です。
しかしチベット仏教に根差した精神性に重きを置く文化の誇り高い国です。
現国王のワンチュク国王が王位継承後はじめての公式海外訪問国に日本を選ばれました。
2011年3月に東日本大震災があり、訪日は延期となりました。
しかしこういう時期だからこそ連帯の意を表したいいうことで震災後すぐの5月にご訪問が実現されました。
津波の被災地にも訪れ、ブータンの仏教僧侶とともに鎮魂の祈りを捧げられました。
福島県相馬市の小学校をご訪問されたときに、子どもたちにお話しされたスピーチが当時反響を呼びました。
その内容が本書にも書かれています。
抜粋してご紹介いたします。
皆さんは、龍を見たことがありますか?
私はあります。王妃もありますね。
龍は何を食べて大きくなるのか知っていますか?
龍は、経験を食べて大きく成長していくのですよ。
私たち一人ひとりの中に「人格」という名の龍が存在しているのです。
その龍は、年を取り、経験を食べるほど、
強く、大きく、なっていきます。
人は経験を糧にして、強くなることができるのです。
そして何よりも大切なことは、
自分の龍を鍛えて、きちんとコントロールすることです。
この「龍」の話を、私がブータンの子どもたちにする時には、同時に、
「自分の龍を大切に養いなさい、鍛錬しなさい」
ということを言っています。
わがままを抑えることや、感情をコントロールして生きることが大切なのです。
ブータン王国 概要
(日本国外務省情報HPより転載)
1 面積
約38,394平方キロメートル(九州とほぼ同じ)
2 人口
約78.2万人 (2022年:世銀資料)
3 首都
ティンプー(Thimphu)
4 民族
チベット系、東ブータン先住民、ネパール系等
5 言語
ゾンカ語(公用語)等
6 宗教
チベット系仏教、ヒンドゥー教等
KEYWORDS
- [本]
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