勉強の話  2018年4月18日|水曜日

Eテレ 高校講座の楽しみ方

以前、Eテレについて書きましたが、Eテレは教育テレビと呼ばれていた頃から革新的な番組を生み出しています。

例えば、糸井重里が司会で、曲を坂本龍一、オープニングアニメを大友克洋が担当した『YOU』や、いとうせいこうの『土曜倶楽部』。『真剣10代しゃべり場』『ピタゴラスイッチ』などなど。

 

今回は『高校講座』について触れてみたいと思います。

平日、月曜から金曜日の午後2時台にEテレは「マルチ放送」ということで、2チャンネルを使って2本同時放送を行っています。

 

午後2時台というのは民放ではドラマの再放送かワイドショーということになりますが、Eテレも負けてはいません。

一般の方でも十分楽しめる番組作りがされています。受信料のモトを取るためにも一度ご覧になる事をおすすめします。

ここではほんの一部をご紹介します。

 

 

月曜日 14:00~14:10

『べーシック数学』

かなり易しめで親切な番組です。中学生の子でも分かるような内容になっています。司会のお姉さんが小野真弓さんです。

少年少女役の高校生の子たちの演技がすごくオーバーですが、それをカバーするMCの小野さんが落ち着いています。久しぶりに小野さんを見ましたが眼鏡をかけている姿が、稲田元防衛大臣に似ていました。

 

月曜日 14:10~14:30

『数学Ⅰ』

高校数学Ⅰの内容を丁寧に扱っています。生徒役のみなさんも子役というより普通の高校生っぽい子たちが登場し、なぜそうなったかの問いかけにも、「うーん、勘?」など素の反応があってより自然体の授業を演出しています。

何といってもMCの松本あゆ美さんの立ち位置がこの番組に活気を与えています。

 

例えば、多項式の説明では、わざわざ「餃子の王将」へ行き、「餃子2人前をヨクヤキで早目に、それからチャーハンとから揚げを。」と注文して、皿を項に例えて、多項式の説明をします。

そしてテーブルいっぱいの料理を食べながら、最後に「うーん、数学っておいしい」と言います。 

 

松本あゆ美さんは、いわゆるお姉さん先生役で、「~するわよ。」などのお嬢様風の言葉を使います。なんとなく80年代テイストなのです。

それに対して生徒役の子たちは、素のままの反応ですから、そこに面白いギャップが生まれています。

松本さんのほんわかした雰囲気から、ある種のおかしみが生まれているのです。

 

火曜日 14:00~14:10

『ベーシック国語』

先日、ご紹介した滝沢カレンさんが生徒役、金田一秀穂先生、ナイツの土屋伸之さんが出演。

高校講座シリーズの中でも屈指の傑作。つくづくナイツの土屋さんの温かいツッコミが素晴らしいです。

これは教養講座というより教養漫才バラエティと言っても良いでしょう。

 

火曜日 14:10~14:30

『国語表現』

プレゼンテーションの仕方や小論文作成なども含めて様々な表現の仕方が学べます。 

なかなかプレゼンの仕方というものは見よう見まねで、しっかり教わる機会がありません。この番組は社会人でも十分参考になる番組です。もちろん小中学生でも大丈夫です。

 

この番組ではMCが足立佳奈さんで、自然体のアイドルっぽい感じです。そしてなんと言っても生徒役のみなさんが本当に素晴らしいです。男女3人の計6人の現役高校生が登場しますが持ち回りで司会を行います。みんな仲良しで本当にどこかの高校から丸ごと出演してきたような自然体です。

 

そのなかでもダントツの空気感が「さくらちゃん」という子です。この子の明るさがとてつもないのです。2回目の放送では男女ペアになって正しい「送り仮名」をホワイトボードに書き込んでいきます。そこで一問だけ、さくらちゃんと男の子のチームがミスをするのですが、すかさず、さくらちゃんが男の子にツッコミを入れます。「ほらー、さっき言ってたじゃーん。」と目を見開いて天を仰ぎます。リアクションが普通の芸人よりも数段パワフルで、ノリが異次元です。

それに反して先生役の先生がとてもクールで淡々と解説します。ギャップがすごいです。

 

さらに、番組のワンポイント講座では国語関係の著名人にインタビューがあります。第1回目が作詞家の松本隆さんに作詞法を聞きました。

「僕はなるべく否定的な言葉を入れない。否定的な言葉って力があるから多用しちゃうんだけど、それだと面白くないよね。」

 

2回目では「桐島、部活やめるってよ」の作家の朝井リョウさんが出演していました。出演している著名人もEテレということで幾分リラックスしている様子が分かります。中高生向けのアドバイスがすごく良いです。

 

朝井リョウさんは高校時代聴いていた「モーニング娘。」の曲の詞から

「そうよ青春はカーニバル 踊る人に見てる人 同じ人なら踊ろうぜワイヤイ」を取り上げました。

 

「中高生の頃は、特に男子はポーズをつけて斜に構えることがありますが、僕はこの詩から、どうせ毎日過ごすんだったら、踊る人の側になろうと思いました。」

 

火曜日 14:40~15:00

『生物基礎』

NHKの得意分野である映像コンテンツがとにかく充実しています。生物は百聞は一見に如かず、とにかく動く映像に勝るものはありません。

しかし!そこは攻めるEテレです。生物の画像とアナウンサーのナレーションだけでは非常に硬い印象になるところを、ナビゲーターとして「さかなクン」を起用しています。

……ということはお決まりの「今日はウィルスを取り上げるでギョざいます」などの「ギョ」が多用されます。この番組ではさかなクンは「水を得た魚」のようにどんどん「ギョ」を連発します。

 

水曜日 14:20~14:40

『物理基礎』

物理は苦手な人も多い中、番組作りは難しいと思われますが、さすがEテレです。全番組中、もっとも興味付けに神経を注いでいることがうかがえます。

物理(ものり)家というある一家の食卓風景がメインになり、モノづくりの好きなお父さん役が川角先生。

そしておっちょこちょいのお母さん役が何と!女優の斉藤由貴さん。生徒役として息子と娘という家族構成です。

とにかく斉藤由貴さんの「お父さん、どうして?」という天然ぶりが素晴らしいです。素なのかな?というくらい自然体の演技です。

 

第1回ではヨーヨーの運動の動きを解説。

倉庫から出てきたといういくつかのヨーヨーに交じって、何と!「あの」赤いヨーヨーがあるではありませんか。斉藤由貴さんとヨーヨーと言えば…。

娘の「お母さん、昔ヨーヨー上手だったんだよね?」という何気ないフリ。斉藤由貴さんの「なんか、昔やってたことが…」という流れで番組がそれとなく進行していました。

しかし1980年代に「スケバン刑事」を見ていない現役高校生には何のことかさっぱり分かりません。番組はそんなことお構いなしに進行していきます。

 

川角先生~!

さらに、この番組の先生役、川角先生はすばらしいです。

にじみ出る人柄から、本当に物理が好きなんだな、と思わせてくれます。

そして、一言一言かみしめるように珠玉の解説の言葉。

番組後半ではカメラ目線で、物理から人生訓を引き出し、視聴者に勇気を与えます。

川角先生は、物理界の「池上彰」と言っても過言ではありません。

 

川角先生は民放でも教養系のバラエティに出たら、絶対人気が出ます!

物理の授業は、川角先生とでんじろう先生、この両巨頭で日本の理科教育を変えられますよ!

 

 

水曜日 14:40~15:00

『地学基礎』

MCは俳優の関口知宏さん。司会者の関口宏さんの息子です。そして、NHK BS でずっと鉄道旅行で旅人として毎日の帯番組で案内を務めていた人です。最初は「日本一周の最長片道切符」で日本をくまなく鉄道で周り、海外も中国一周やヨーロッパ各国の周遊などずっと鉄道旅行の番組をされています。

現在、この帯には火野正平さんが自転車で周る「にっぽん縦断 こころ旅」が放映されています。この番組も私はすごく好きで、いつか検証してみたいと思います。

 

この番組では関口さんの自然体の進行がすごいことになっています。

アシスタントに昼寝をしているところを起こされて、ほいじゃあ、探ってみようという流れで始まります。本当に寝ていたのか?というくらい目がしょぼしょぼしていて、自然体過ぎて、脱力しまくっています。関口さん、新たな境地に入った感じです。

 

第1回の内容はなんと「宇宙膨張の仕組み」。専門的な内容をいとも簡単に解説してくれます。そしてビッグバンの仕組みやハッブル宇宙望遠鏡で見えない宇宙はどうなっているか?など、素人の疑問を分かりやすく説明してくれます。

 

…授業が始まりますのでこの辺にしておきます。

 

 

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