勉強の話  2018年3月10日|土曜日

2018愛知県公立高校入試 Bグループ 国語を読み解く

愛知県公立高校入試 Bグループ の入試が終わり、早速、入試問題を一通り解いてみました。

 

今回はその中で、国語の問題を読み解いてみようと思います。

 

平成30年度 愛知県公立高校入試 国語から

 

大問1 論説文

『知的複眼思考法』(苅谷剛彦 著)から。

こちらは1996年の著作で、何度も入試問題その他にも取り上げられてきました。

かえって定番すぎて逆に驚きました。

筆者の苅谷氏は教育に関する本も多数出されています。

 

本文の難易度としては、大学の授業でもレポートにまとめさせる時の課題としても取り上げられるほどですので、国語が苦手な子にとってはちょっと読むのに苦労したことだと思います。

 

問題はいたって素直でシンプルです。

⑴接続語

⑵指示語

⑶指定語句を使った大意要約の記述問題

⑷筆者の主張の理由

⑸本文の特徴

 

まさに、ザ・国語の問題といって良いくらいの定番の問題です。

 

大問3 論説文

『「環境を守る」とはどういうことか-環境思想入門』(上垣崇英 著)から。

 

 

⑴内容把握 筆者の主張の把握

⑵内容把握 理由

⑶内容把握

⑷「ない」の識別 助動詞と形容詞の違いの把握

⑸内容把握 第6・7段落の内容

⑹本文の感想文 整序問題

 

こちらの問題もいたって奇をてらわないオーソドックスな問題。

愛知県の過去の入試問題や同じ傾向の他府県問題をこなせば十分に対策が取れます。

ただ、選択問題の文が長いので、いかに速く解くかが問われています。

 

大問4 古典

『身の鏡』(江島為信 著)から。

江戸時代初期の武士が書いた教養書です。

 

分別がないのに分別面する人を気をつけろ、という内容の本文です。

⑴主語

⑵指示語の内容把握

⑶抜き出し

⑷大意把握

 

こちらは古典の問題というより普通に読解問題として解くと良いでしょう。

江戸時代の文章なので、比較的読みやすいものだと思います。

 

感想

この大問の三つの本文は一般的な大人が読んでも、なるほど!と思わせる目からウロコが落ちるような読み応えのある文章でした。

 

最初の『知的複眼思考法』では、「近頃の若者たちは本を読まなくなった」というよく指摘される常識に対して、そのまま受け入れるのではなく、さらにもう一歩思考を展開してみようと促されます。

次の『「環境を守る」とはどういうことか-環境思想入門』は、「環境とはそもそも何なのか」といういわゆる常識で捉えられている概念をもっと深く考えてみようという内容です。

 

特に『「環境を守る」~』の本文第2段落で述べられている思考実験の話は非常に興味深いです。

こんなたとえ話です。

 

たとえ話

ある時代に非常に有害な物質Xが出て、地球のほとんどの生物を絶滅に追いやってしまった。

わずかに生き残った種から、あらたな生物が生まれ知的生命体として文明を築くことになった。

その知的生命体にとって、かつてすべてを絶滅に追いやった有害物質Xは有害な物質だったといえるか。

 

 

このような思考実験は中学生にとっては新鮮に思えるでしょう。

余談ですが、実はこのたとえ話と同じ話が、漫画版の『風の谷のナウシカ』に出てきます。

第6巻~7巻の完結に向かうクライマックスの展開と同じ論理構成を持っています。

アニメ化されているのは、全7巻のうち、2巻目ぐらいです。実は、アニメ版は原作に比べるとほんの序章にすぎません。

 

「エヴァンゲリオン」や「シン・ゴジラ」を監督した庵野秀明が宮崎駿に「ぜひ続編の監督をやらせてくれ」と言ったそうですが、監督をしたいのが原作の第7巻目の部分の物語なのです。

 

 

 

ただしこの内容は難解で有名で、読んでいてついていくのがやっとという感想が良く出てきます。

このような論理を持つたとえ話がさらっと入試問題に出てきたので、おぉ、と思わず思いました。

 

さて、これらの文章に共通するのは、ある事柄を理解する時に、既存の常識にとらわれることなく、もう一度自分自身で思考して再構築してみようということでした。

これからの時代は、従来の常識を鵜呑みするのではなく、自分自身で思考し再構築してみよう、というメッセージとして受け止めました。

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