勉強の話  2017年11月24日|金曜日

数学 中2女子が2か月で嫌いな数学を好きかも?と思い始めた話

その子を担当したのは中1から中2になる春休みからでした。
中1までは別の集団塾に通っていたそうです。数学が徐々に下がって来て心配になり転塾しました。
計算スピードは普通の子よりもやや遅いかな、という感じでした。文章題や応用問題ではじっくり考えるタイプ。大雑把に言うと、数学を普通に真正面から解くのだけれど、難しいものは手が出ないのという感じでした。


計算は全く分からないわけではなかったので、ポイントは標準以上の問題を攻略することでした。

まず計算スピードを上げるために、計算方法の改善をしました。

暗算のコツと工夫する計算方法を指導して、途中計算の最小化を指示しました。

真面目な子ほどきっちり計算式を書きます。小学校でしっかり教え込まれた子ほど丁寧にやります。

中学2年くらいになると、それよりもいかに正確に速く解くのかを問われます。

この子には、いかに暗算が良いのか、工夫して解くと2ケタ×2ケタどころかそれ以上を暗算でできるようになれることを実践させて改善させました。

 

次に方程式や比例などの関数問題では、標準タイプの解法の基礎をみっちりやったうえで、徐々に応用問題に触れさせました。

公式や解法の説明よりも、演習量の配分を増やしました。特に苦手意識のある女の子は、理論よりも経験値をあげることが有効です。

私はこれを「帰納的理解」と呼んでいます。

標準問題が十分理解できたところで、次に用意した応用問題は、反復練習が豊富なテキストを使用しました。このテキストは難関私立中学でも時々使用されているものですが、このテキストはもれなく数学に自信がつくような編集がされています。


そうやって春休みから中2の授業が始まった4月までに先取りで速予習を行いました。さらに、教科書レベルを超えて難問レベルも果敢に解かせました。
5月の大型連休が終わるころには1学期の授業内容をほぼ終わらせることができました。

 

この頃になるとおおよそ私の説明を聞いただけで新しい問題を解くことができるようになっていました。彼女の表情はあまり変わることはありませんでしたが、正解にいたることに慣れて解くスピードも速くなっていきました。

 

この時点で私は内心、「もう数学が好きになったんじゃないかな。好きになり始めているけど、まだ認めたくないかも…。」と思っていました。
苦手意識があると、できない自分を逆に立証したくて、「ほら、やっぱりできないじゃん私。」と思ってしまうのです。
悪い自己暗示をかけてしまうのです。ここで周囲の大人も、「やっぱりできていないよね。」などと言おうものなら、結局勉強を止めてしまいます。ここはそっとしておくのです。彼女の場合はそれが一番の指導法でした。

 

そしてやって来た1学期のテスト。この子は中学校最高点をマークすることができました。中1の最初のテストよりも良かったのです。

上々の滑り出しです。この成績を維持して2学期にも備えなければいけません。夏休みも関数や図形を先取りして自信がつくようにしました。

 

のちに懇談会でお母様から伺った話を聞いて、少し驚きました。
「以前の塾では数学の先生が恐くて、委縮していたんです。だから数学の先生はどこの塾も恐いという思い込みがあったようなんですけど、先生は違っていて安心できたようです。数学が好きになったそうです。ありがとうございます。」

 

よく考えると数学を担当する理系の先生は男性が多いけど、ガンガンタイプが多いかも。
そういう意味では私はタイプが違うかもしれませんね。さらに、子どもたちのタイプによっても指導方法を変えます。大まかに男子の指導法と女子の指導法では違い、そこからさらに個々に発問や演習の仕方、時間配分、アドバイス、口調などを変えます。

和菓子屋さんが季節に応じて塩加減を変えるようなものでしょうか。


いずれにしても、中学生や高校生でも、結局先入観で苦手意識ができてしまうことが多いです。ちょっとしたことで、好きかも、と思えるきっかけを作るのが良いですね。
逆に、苦手だな、という気持ちをできるだけ避けてなくしていきたいですね。

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