勉強の話  2022年2月14日|月曜日

公立高校入試新制度特集② マークシート式でどう変わる?

Ⅰ:珠玉の問題が消えてしまう場合も。

2022年度の新制度の公立高校入試ですが、解答の仕方にマークシート式が導入されるということはすでに発表がありました。

詳細はまた後日の発表になると思います。

 

さて、マークシート式ですが、すぐに思い浮かべるのは選択問題になり解きやすくなるのでは、ということでしょうか。

たとえ選択問題ばかりになっても、難易度はどうとでもなりますから、安易な楽観論はやめておきましょう。

 

しかし決定的に残念なのは、このマークシート式導入により、

「国語」で恒例となっていた、要約文作成の問題と、

「英語」の冒頭に必ず出題されていた、英作文問題がなくなるだろうということです。

 

要約文も英作文も、他県の問題に比べればそれほどでもありませんでしたが、これがなくなるのは寂しいですね。

というのも、教養堂の塾生はこの種の問題では無類の強さを誇ってきたからです。

 

先日も、現中3生に入試過去問を解かせましたが、国語の要約問題に関しては全員正解でした。

これは教養堂では例年通りのことなので驚きはありません。

 

要約問題ができるというのは、文章を俯瞰して読める、要旨を把握しているということで、読解力を見るのに一番最適な問題なのです。

そして要約問題ができるというのは、他教科でさえも出題の意図を正確に読み取れるということで、学力の基礎を見るのにも最適なのです。

 

 

英作文問題に関しても英語の力を見るのに、これほど最適な出題はないと思います。

 

ちなみに教養堂では、数学の図形の証明問題でもしっかり書かせるように指導します。

愛知県ではずっと選択問題ですが、中2数学の証明問題の導入からしっかり書かせます。

やはり証明などの論述を強くすることが教養堂の使命だと考えているからです。

 

 

教養堂の中学生は大学入試の時には逆に力を発揮することだと思います。

ですから、公立高校入試でマークシート式による解答に学習が「最適化」してしまう怖さは十分認識されてください。

 

これらの問題は生徒の学力を如実に図るとてもよいものでした。

それらがなくなるのはちょっと寂しい限りです。

ある鉄道の路線が廃線になるような寂しさですかね。

「ありがとー!記述問題。ありがとー!英作文。」

 

 

マークシート式でその力がどこまで見ることができるか、出題者の力量が問われることでしょう。

 

 

 

Ⅱ:本来の力が発揮されるかもしれない場合も。

さて、マークシート式になって有利になる場合もあります。

それは、字を書くのが苦手な子たちです。

字を書くのが得意でない子たちにも色々いて、単にちゃんときれいに書きなさい、と言えない深い事情があります。

 

学級に5%くらいは存在するという「書字障害」を持つ子たちです。

あまり知られていませんが、確かに先天的に字を書くのが苦手な子たちはいます。

 

鉛筆を持つことが苦手な場合もありますし、運動能力や認識力の起因もあります。

そういう子たちはこれまでかなり不利な状況に置かれていたと思われます。

脳で情報処理をしたうえで文字化するということが苦手な子は確かにいますし、それはとても苦手な子もいればやや苦手な子もいるという、まさに幅広いグレーゾーンが存在します。

 

小学校の頃から、きれいな字を書くことを強要されてきたおかげで、学力の意欲が低下してしまったり、通知表の評価が低くなされたりした場合もあるはずです。

字がきたないということが学力意欲に乏しいとみなされることもあるわけです。

 

よく考えると、人類は最初から鉛筆を持たなかったわけで、道具のひとつとして鉛筆を発明しはしましたが、もとよりそれが本当に人類にとって最適な道具なのか、ちょっと考えてしまいます。

無理に持たなくてはいけないから、「ペンだこ」もできるわけですから。

考えてみれば無理やり強制ギブスをつけながら学んでいるわけかもしれません。

まだ毛筆の方が理にかなっていたかもしれません。

 

大人たちは良いです。

すでにビジネスの世界では、もうほとんどがパソコンやスマホでのキーボード入力ですから。

プレゼン資料も論文も提出書類も、直筆の方が珍しいです。

作家ですら、万年筆で書く人はかなり珍しいです。

未だ小学生から高校生までは鉛筆・シャーペンでの直筆がなぜか優先されているわけです。

 

「書字障害」の子どもたちの中には、タブレット入力での学習のおかげで学力が急速に向上した、という例もあります。

 

今回の新制度入試でのマークシート化では、そのような直筆に不利な子にとってはいくぶんか状況が好転するのでは、と考えています。

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