本の紹介  2018年3月16日|金曜日

『ミカドの肖像』『天皇の影法師』『知の訓練』

 

平成が終わろうとする今、あらためて読み直したい本

先日、春期講習の授業準備で自作の「歴史年表」プリントに手を加えていましたら、ハタと思わず手がとまってしまいました。

 

現代史の所で、明治、大正、昭和と来て、平成。

おっと、もう平成は終わるんだと。

しかも改元の年月日も決定している。

 

思えば、昭和から平成に変わる時はバブル経済の絶頂期だったのですが、古来から続く日本の伝統的なものや非合理的なものがおもむろに可視化されました。

あれから30年。そんな頃に読まれた本を読み返すと、全く古くなくむしろ平成が終わる今読んでも新鮮です。

 

今回の教養堂の棚からひとつかみは、まずこちら。

 

 

「天皇の影法師」猪瀬直樹 著 1983年

 

 

 

「ミカドの肖像」猪瀬直樹 著 1987年

 

 

豊富な資料に基づいて、新しい視点を見せてくれる、そんな読み応えのある本です。

天皇陛下が行幸する際のお召し列車の時刻表の作成秘話。複雑極まる首都圏の過密ダイヤを縫うようにしてあっと言う間にダイヤグラムを組む「スジ屋」と呼ばれる職人集団の話。

外国人に映った「ミカド」の風景。

天皇崩御の際、必ず柩を担ぐ京都の村人集団「八瀬童子」の存在。

普段は見ることのない時間を超越した風景を教えていただきました。

 

著者の猪瀬さんも当時は鋭く切り込むノンフィクション作家でした。

まさか東京都知事になるなんて想像だにできませんでした。

これらの著作は今でも古さを感じません。

さらには資料を集め、それをもとに思考し、論じる、というある種の研究の作法を学ぶことができる本でもあります。

 

 

さらに日本と天皇の「風景」を考察しているのがこちらです。

 

「知の訓練」 原武史 著 2014年

 

著者の原武史さんは大学教授で独自の視点で興味深い本を発表していて、いつも参考にさせていただいています。

大正天皇論、昭和天皇論、皇后論などこれまでになかった切り口で、日本の文化の新しい風景を見せてくれます。

こちらの本は大学の講義からの抜粋で読みやすくまとめられていました。

特に皇居前広場の考察は大変興味深く読みました。

 

現在、原さんはNHKの教育テレビEテレで「100分de名著」の「松本清張特集」にも出演しています。

これも本当に面白いです。

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